◆日本ハム6x―5楽天=延長12回=(25日・札幌ドーム)
日本ハムの杉谷拳士内野手(28)が、自身2度目のサヨナラ打で試合を決めた。
5―5の延長12回2死満塁。打席に向かう直前、金子打撃チーフ兼作戦コーチから「たぶんお前に回ってくるから、死ぬ気でいけ。インコースのスライダーは当たりにいけ」と送り出され、気合十分の表情で打席へ。初球の低めのスライダーを見逃すと「次は真っすぐ一本」と読みを巡らせ、2球目の外角高めの144キロを力強く捉えた。「超えてくれの一心で夢中で走っていた」。打球はグングンと伸びて、左翼手の頭上を越えるサヨナラ打となり、ナインから歓喜のシャワーを浴びた。
自然と気合が入った。前打席の延長11回無死一塁では、送りバントに失敗。「どこかで取り返すチャンスが来ないかな」と燃えていた。チームを勢いに乗せられなかった責任は感じつつも、決して持ち前の明るさだけは失わなかった。誰よりも大きな声を張り上げて、全力でプレーした先に巡ってきた挽回のチャンスを見事にものにした。「とにかく前を向いて野球をやろうと。いつでも前を向いて野球は出来ているので、そういう巡り合わせを神様がチャンスをくれたんじゃないかな」と気持ち良さそうに汗をぬぐった。
起用してくれた栗山監督にも最高の形で応えることができた。26日は指揮官の58歳の誕生日。試合後、報道陣からの問いかけで思い出した様子だったが、「監督が気持ち良く58歳を迎えてほしいという思いで打席に立ちました」と振り返った。
チームは今季2度目のサヨナラ勝ちで8試合ぶりに貯金1となった。昨年12月から今年1月にかけて、オーストラリアで体をいじめ抜き、迎えたプロ11年目。「『杉谷、カンガルーパンチさく裂!』って書いておいてください」。輝きを放ったヒーローは、そう言い残すと上機嫌でロッカールームへと消えていった。
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2019-04-25 15:20:56Z
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