浦和が2点をリードして迎えた前半31分、2点ビハインドの湘南はMF梅崎司が送った縦パスを受けたMF杉岡大暉がMF宇賀神友弥と競り合いながらボールをキープし、PA外から左足シュートを放つ。ボールは右ポストを叩くと、逆サイドのサイドネットを揺らして湘南が1点差に詰め寄ったと思われた。
確かにネットは揺れた。ボールは完全にラインを割っており、だれの目にもゴールは明らかだった。杉岡はチームメイトたちとハイタッチをかわし、浦和GK西川周作は悔しそうな表情でボールをセンターサークルに向かって投げ返し、他の浦和の選手たちも“失点”に肩を落としていた。
ところが、副審からゴールの合図はなく、山本雄大主審も西川によって投げ返されたボールを見てそのままプレー続行を指示。浦和の選手たちは慌ててボールをつないで湘南ゴール前まで迫り、PA内でパスを受けたFWアンドリュー・ナバウトがシュート体勢に入るもGK秋元陽太が体を張って抑えた。
ナバウトがこのプレーで負傷したため、ようやくここで山本主審はプレーを止めた。当然、湘南の選手やチョウ・キジェ監督らベンチが猛抗議。試合は約5分間中断する事態となったが、山本主審の判定は変わらず、ドロップボールで試合は再開された。試合は2-0と浦和がリードしたまま、前半を終了している。
(取材・文 折戸岳彦)
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