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インディ500決勝レポート:パジェノー、激戦制し初制覇。佐藤琢磨、2周遅れから奇跡のカムバックで3位(motorsport.com 日本版) - スポーツナビ

 第103回インディ500の決勝レースが行われ、チーム・ペンスキーのシモン・パジェノーが伝統のレースを初制覇した。

→【リザルト】第103インディ500:決勝結果

 降水確率が高い天気予報が出ていたものの、なんとか天候は保ちドライコンディションで200周のレースがスタートした。

 まずはポールポジションのパジェノーがトップをキープ。後続も大きな混乱はなかった。14番手スタートの佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は13番手で1周目を終えた。

 序盤から3ワイドになるなど各車が積極的なバトルを展開。しかし5番手スタートだったコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー)が5周目に駆動系のトラブルでスローダウン。ピットに戻ることができずにマシンを止めてしまい、最初のコーションが出された。

 後方の数台がこのコーションでピットに入り、11周目にレース再開。ウィル・パワー(ペンスキー)が狙いすました動きでエド・カーペンター(エド・カーペンター)を交わし2番手に浮上した。佐藤もエリオ・カストロネベス(ペンスキー)をパスし11番手とした。

 トップ5をシボレーエンジン勢が占めて周回を重ねていくが、パジェノーは33周目に最初のピット作業。他のシボレー勢も続々とピットインした。燃料満タンで35周ほど走行できると予想されていたが、コーションがあったことを考えると、シボレー勢は少し早めのタイミングでのピットインとなった。

 この間、佐藤はステイアウトしラップリーダーに。しかしピットインを済ませた後、タイヤに何らかのトラブルを抱えた佐藤は次々とポジションを落とし、緊急ピットイン。2周遅れの31番手となってしまったが、タイヤを交換した後はペースを取り戻した。

 また、ピットレーンではジェイムス・デイビソン(デイル・コイン)とカストロネベスが交錯。カストロネベスにドライブスルーペナルティが出され、こちらも周回遅れとなった。

 首位のパジェノーは順調に周回を重ね、2番手となったカーペンターに対して約3秒差をつけ、65周目に2度目のピット作業を行った。

 各車が続々と2回目のピット作業を行うが、パワーがピット停止位置をオーバーランし、クルーにヒット。これでペナルティが科されてしまう。またジョーダン・キング(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は用意されていたタイヤを撥ねてしまい、そのタイヤがピットクルーを直撃してしまう場面もあった。

 佐藤もピットインのタイミングが迫る中、74周目にカイル・カイザー(フンコス・レーシング)がスピンしクラッシュ。2度目のコーションが出された。75周目にピットインした佐藤は、これで1周分の遅れを取り戻した。さらにコーション走行中に燃料を継ぎ足し、26番手から追い上げのチャンスを伺った。

 80周目にレースがリスタートされると、パジェノーが好スタート。しかし燃費を稼ぐよう指示が飛んだこともあり、カーペンターがパジェノーの背後にぴったりとつけた。3番手のジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)にはアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ)が接近したが、なかなかオーバーテイクはできずにレースが進んでいく。

 トップのパジェノーは、レース折り返し直前の99周目に3回目のピットイン。カーペンターは102周目にピットに入った。対してロッシは107周目にピットインと、パジェノーとは燃費の面で大きな差がついた。佐藤は114周目にピットに入った。

 ロッシはハイペースで2番手に浮上すると、そのままパジェノーに迫ったものの、パジェノーを風除けに燃費を稼ごうとしているのか、ポジションをキープした。

 パジェノーは130周目にピットイン。残り1回のピット作業で走り切れるか、かなり厳しいタイミングでのピット作業となった。一方、ロッシは138周目にピットイン。あと1回のピットインで十分走りきれるタイミングだったが、給油リグがなかなか入らず痛恨のタイムロスを喫してしまった。

 するとその直後、ピットに飛び込んできたマーカス・エリクソン(シュミット・ピーターソン)がピットロードでスピン。これでこのレース3回目のコーションが出された。オーバルでの初レースながら、トップ10圏内を走っていただけに、エリクソンにとっては痛恨のミスとなってしまった。

 ピットレーンがオープンすると、まだピットに入っていなかったマシンがピットイン。これでパジェノーがトップに復帰し、2番手以下カーペンター、ニューガーデン、セバスチャン・ブルデー(デイル・コイン)、ロッシというトップ5となった。

 佐藤はコーション中の145周目にピットイン。これでリードラップに復帰することに成功し、18番手につけた。

 149周目にレースが再開し、パジェノーがまたしても好スタートを決めると、後方ではバトルが過熱。3ワイドのバトルが見られるなど、一気にレースの流れが変わった。トップ争いでは、ニューガーデンがカーペンターを交わしてパジェノーに接近。151周目にあっさりとリードチェンジに成功した。

 ロッシは、ブルデーとコナー・デイリー(アンドレッティ)を相次いで交わし、163周目にホンダ勢トップの4番手に浮上した。

 パジェノーは、169周目に一度ニューガーデンの前に出るが、そのままピットイン。このスティントこそ37周走行したものの、燃費的にはフィニッシュできるかギリギリだ。対して燃費に余裕があるロッシは、あえてその1周後にピットイン。給油時間を短くすることで逆転を狙ったものの、パジェノーの数秒後方でのコース復帰となった。

 しかしペースが良いのはロッシ。177周目にパジェノーのイン側に飛び込むと、オーバーテイクを完了させた。

 佐藤は、177周目にピットイン。するとその直後、佐藤のチームメイトであるグレアム・レイホールとブルデーが接触。5台が絡む多重クラッシュに発展してしまう。このクラッシュで、フェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ)もレースを終えることになった。

 この事故でバリアが損傷したため、レースは181周目に赤旗が出され約20分ほど中断となった。

 ペースカー先導で走行が再開。この時点でトップはロッシ、パジェノー、カーペンター、ニューガーデンが続いた。佐藤は最高のタイミングでのピット作業となり大きくポジションアップ、新品タイヤを履き5番手につけた。

 残り14周からバトルが再開。パジェノーが好スタートでトップを奪還し、佐藤はカーペンターとサイド・バイ・サイドのバトルを制し4番手に浮上。ロッシはスピードに乗ると、すぐさまパジェノーを抜き返した。

 しかしロッシはストレートスピードが伸びず、再度パジェノーがトップへ。対して佐藤はタイヤのグリップを活かし、ニューガーデンをパス。3番手で前を追った。

 パジェノーは抜群の安定感でトップをひた走るが、ロッシは少しずつ差を縮めると、残り3周の時点でロッシが何とかパジェノーを交わしトップへ。しかしやはり速さに分があるのはパジェノー。バックストレートでロッシをオーバーテイクし、トップでファイナルラップへ突入した。

 ロッシは必死でパジェノーに迫るが、バックストレートで懸命にブロックしたパジェノーがトップでチェッカー。前戦インディGPとの連勝を最多ラップリードのポール・トゥ・ウィンで飾った。ロッシは0.2086秒差の2位に終わった。

 佐藤は両者のバトルに惜しくも割って入れず、3位でフィニッシュ。しかし一時は2周遅れとなっていたこともあり、奇跡のカムバックで好成績を残した。

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2019-05-26 20:22:07Z
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